サーミットグループの設立は、東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)。「業務請負」、「アウトソーシング」という言葉さえない時代でした。それから50余年。高度成長の時代からオイルショック、バブル崩壊、デフレ経済と、経営環境が激しく変化する時代にあって半世紀もの時を刻むことができたのは当社の誇りであり、私たちを支えてくださったお客様、そして今日の礎を築いた先人に対し、感謝の言葉以外に見当たりません。
振り返れば50余年、サーミットグループは常にひとつの命題と向き合ってきました。それは「サーミットらしさ」の追求です。他社にはできないこと、当社だからできることは何かを考え、実践することでお客様から信頼されるパートナーになることをめざしてきたのです。当社のモノづくりでは、工場のラインをお預かりして生産活動の重要な一翼を担うだけでなく、トレーニングセンターをおいて技術者を育てながら、さらに自社で工場を保有して独自に部品の組立や加工まで行っています。モノづくりへのこだわりは、サーミットの原点でもあります。
またサーミットグループでは、「優れたモノづくりは、人づくりから始まる」との認識から人間教育を重視し、スキルだけでなく社会人としての常識やマナー、モラルをしっかりと身に付けた技術者の育成に力を注いでいます。笑顔を絶やさず、先輩や目上の人を尊び、周囲に気配りができて、自らすすんで行動を起こす――。そんな当たり前のことを、当たり前にできる技術者こそ当社の財産であり、スタッフ一人ひとりの日々の行動の積み重ねが、お客様の評価を揺るぎないものにしていると私は確信しています。
今後の展望としては、男性中心の製造現場からさらに女性が活躍できる職場・就業環境を整え、モノづくりの現場において女性が中心となってオペレーションできる生産現場を作って参りたいと思います。
日本の製造業を取り巻く環境は、大きく様変わりしています。私たちも、この大きな変化のうねりと無縁でいることはできません。時代の動きを冷静に見つめ、お客様が向かう先に視線を向けながら、私たちはこれからも「ベストパートナー」であり続けるために時代の変化とともに自らを変えていかねばなりません。サーミットグループは、設立50年の節目を超えて今、「モノづくり」こそが自らの原点であることを再確認するとともに、新たな領域へのチャレンジも含めて「サーミットらしさ」とは何かを常に自らに問いかけながら、お客様のベネフィットに貢献できる企業をめざしてまいります。
代表取締役